Friday, October 1, 2010

01/10 「JITCO交流大会 ~人づくり、交流そして友好の発展~」を開催


2010年10月
財団法人国際研修協力機構
 10月1日(金)、経団連会館(東京都千代田区)にて「JITCO交流大会 ~人づくり、交流そして友好の発展~」を開催しました。当日は約300名と大勢の方々に参加いただきました。
佐田専務理事
佐田専務理事
 JITCO佐田専務理事からは、「研修・技能実習現況報告」として、研修生・技能実習生の受入れ状況について説明を行いました。 
 まず、経済不況の影響を受け減少傾向にあった研修生数について、改正入管法施行の経過措置による一時的な変動もあったものの、本年8月から対前年度比が増加へ転じた現状を説明しました。また、昨年の母国語相談や巡回指導の結果について報告し、賃金や健康問題のトラブル防止のためにも一層の適正な指導・監理を呼びかけました。
 なお、死亡事故原因で顕著な脳・心臓疾患や交通事故について触れ、研修生・技能実習生たちの死亡事故防止対策により力を入れていただきたい、と注意を促しました。
 次に、各種出版物や法的保護講師派遣事業、申請書類作成支援システム等JITCOの新規事業を紹介し、より円滑な受入れ事業の推進のためにもぜひ積極的にご活用いただきたいと案内しました。
 最後に、本年7月からの新しい技能実習制度が立派な制度に育つよう是非皆様方と協力して取り組んでいきたい、と概況報告を締めくくりました。
トニー・ラズロ氏
ロバート・キャンベル氏
 引き続いて、NHK教育番組「Jブンガク」でおなじみのロバート・キャンベル氏により「あえて日本語の中で生きること」と題した講演が行われました。
 キャンベル氏は、いつもテレビなどでお見受けする通りの優しく大変わかりやすい語り口で、現在や明治時代の日本語の実際の文学的な表現例をいくつか挙げながら、日本語という言葉がいかに心のコミュニケーションに役だっているのかを語られました。
 お話の最初は、キャンベル氏の生い立ちと日本語の修得に苦労されたエピソードを、当日参加されていた外国人技能実習生の方々が抱える状況と比較される形で披露され、「言葉の修得は一生の財産になる」と励まされました。
 さらに、日本語の中で生きることとは、文法やルールの違いなどではない、もっと微妙な、いわば心の中の無言の伝達力のような雰囲気を大事にして生きていくことでもある、とのこと。「自分の日本語」というものを作っていくことが大事であると薦められました。
 また明治時代の若山牧水の短歌の中のある表現を挙げ、日本語のもつ曖昧さが、読む人に多種多様な情景を連想させる素晴らしさを強調されました。最後に、「日本の古典文学の中などに生きている味わい深い情緒のある日本語の表現を学び、心と心のコミニュケーションを身につけ、知人や仲間をひとりでも多く増やして頑張って下さい!」というエールを参加者へ贈って下さいました。
キャンベル氏はご講演中や質疑応答の時間にマイクを観客席へ回して参加者との意見交換を楽しまれ、会場は最後まで大いに盛り上がりました。
 休憩後は、「受入れ機関表彰式」及び「第18回日本語作文コンクール表彰式」が行われました。
  受入れ機関表彰は、外国人研修・技能実習事業を適正かつ継続的に実施し、本事業の趣旨・目的に沿った顕著な成果を上げている受入れ団体・企業を表彰することで、受彰団体・企業の一層の取り組みを支援するとともに、他の受入れ団体・企業が本事業の適正な実施に取り組む方向性を示す目的で企画した事業で、本年度は、多数の団体、企業の中から5団体、1企業が選出されました。
☆受彰機関名 (五十音順)
【団体】愛知みなみ農業協同組合(愛知県)
 オホーツク国際人材交流協同組合(北海道)
 島根県中央アパレル協同組合(島根県)
 西日本工業協同組合(鳥取県)
 協同組合福岡情報ビジネス(福岡県)
【企業】日本精機株式会社(新潟県)
 同表彰式では、受彰機関を代表して、協同組合福岡情報ビジネスの藤村代表理事、日本精機株式会社の五十嵐シニア・マネジャーから、受入れ事業に係る取組みについてご報告いただきました。なお、この後引き続き行われました第18回日本語作文コンクール表彰式の詳細につきましては、別途掲載していますのでそちらをご覧下さい。

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