Friday, December 23, 2011

夫が退職、配偶者特別控除は受けられる?


夫が退職、配偶者特別控除は受けられる?

夫が退職したら配偶者特別控除はどうなるのでしょうか? 夫は今年3月に退職しました。今年は年金300万円と年間90万円ほどの給料が年間収入となります。私はパートで年間105万円を超さない程度に働いています。今年度の年末調整でも105万円以下に抑えて働くのがいいのでしょうか? 夫は任継保険に加入し、私は会社の厚生保険に加入しています。(S.M 62 長野県)

控除可能、パートは手取り額により調整を

まず、配偶者特別控除の要件は以下の通りです。
(1)控除を受ける人のその年における合計所得金額が1000万円以下であること
(2)配偶者が以下のすべてに該当すること
イ 民法の規定による配偶者であること
ロ 納税者と生計を一にしていること
ハ いわゆる青色申告者の事業専従者等でないこと
ニ ほかの人の扶養親族となっていないこと
ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること
したがって、退職されたこと以外に変更点がなければ、今年も適用できると思われます。
パート収入を105万円以下に抑えた方が良いかどうかは、ご主人の税金を考えてみます。年金300万と給与90万ですと、課税所得金額は195万円以下となり、所得税の税率は5%、住民税の税率は10%となります。来年以降、収入が年金だけとなっても195万円以下と思われますので、税制改正がなければ税率は同じです。
したがって、配偶者特別控除を受ける場合の金額は以下の通りとなり、ご主人の税金は軽減されます。
所得税の配偶者特別控除38万×5%+住民税の配偶者特別控除33万×10%=5万2000円
S.Mさんはパートの会社ですでに社会保険に加入されているようですので、給料から社会保険料、所得税、住民税を引いた、いわゆる手取り額が年間で5万2000円以上増えるのであれば、世帯としての手取り額は増え、S.Mさんが将来受け取る年金も増えるので、パート収入を105万円以下に抑えて配偶者特別控除を受けるという選択肢よりも、たくさん働いた方が有利でしょう。
なお、S.Mさんが労働時間を減らして健康保険と厚生年金が未適用となった場合、労働時間が減少した分、給料は減りますが、保険料分の手取り額が増えるため、世帯としてみると手取り額が増える可能性もあります。これらに関しては社労士か年金事務所にお問い合わせください。(橋本優三・税理士)

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