Friday, December 23, 2011

夫が単身赴任中、アルバイトの息子を扶養に


夫が単身赴任中、アルバイトの息子を扶養に

 19歳になる息子が会社を辞めアルバイトをしています。夫は単身赴任中で他県におり、住所も変更しています。できれば息子を私の扶養家族にしたいのですが、可能でしょうか?  アルバイトなので扶養にした方が減税されますよね。(A.O 47 三重県)

同居していなくても扶養家族にできる

給与収入が103万円以下なら扶養

 ご相談について、2011年1月1日現在の法律を前提として回答いたします。
アルバイトをしている息子さんの合計所得金額が38万円以下である場合、扶養親族とすることができます。収入が以前の会社の給与とアルバイトの給与のみである場合、その年の1月1日から12月31日までの給与の合計収入が103万円以下であれば、所得が38万円以下となり扶養控除の対象となります。

計算式は、次の通りです。
 給与収入103万円-給与所得控除65万円=所得金額38万円

「生活費を負担しているか」がポイント

 単身赴任をしている夫が、同居していない息子を扶養家族にすることも可能です。
 扶養親族の要件は、「扶養親族である息子さんの合計所得金額が38万円以下であり、かつ生計を一にしていること」です。この「生計を一にしている」とは、同居していない場合であっても、夫が生活費を負担しているときは、生計を一にしていると解釈されます。
 また、扶養控除は、夫と妻のいずれか一人しか受けられないので、所得が高い方が受けた方が、減税額は大きくなります。夫が会社の年末調整で扶養控除を受けていることもありますので、よくご相談することをおすすめします。

扶養控除の要件とは

 この制度そのものについても、この機会にご説明します。
 所得税法上の扶養家族とは、その年の12月31日現在において以下の4つの要件にすべて該当する人です。
 
(1)配偶者以外の親族などであること(親族とは民法720条に規定されている通り、6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)。
(2)納税者と生計を一にしていること。
(3)年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(4)青色申告者の事業専従者として給与支払を受けていないこと。

2011年からの扶養控除の金額

 2010年度の税制改正において、扶養控除が次のとおり改正されました。この改正は、2011年分の所得税から適用されます。
(1)一般の扶養親族のうち、年齢が16歳未満の人に対する扶養控除(38万円)が廃止されました。
(2)特定扶養親族のうち、年齢が16歳以上19歳未満の人に対する扶養控除について、上乗せ部分(25万円)が廃止され、扶養控除の額が38万円とされました。
(3)上記の扶養控除の改正に伴い、扶養親族が同居の特別障害者である場合において、扶養控除の額に35万円を加算する措置に代えて、同居特別障害者である扶養親族に対する障害者控除の額が40万円から75万円に引き上げられました。

※1 「控除対象扶養親族」とは、扶養親族のうち年齢16歳以上の人をいいます。
※2 特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人をいいます。
※3 老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の人をいいます。

(丸山定夫・税理士)
(2011年5月27日  読売新聞)

No comments:

Post a Comment