Monday, September 12, 2011

12/09 外国人研修制度:制度に「ほころび」 富岡の中国人が訴訟に /群馬



外国人研修・技能実習制度を利用して来日した中国人女性3人が、「研修」の実態は「労働」だったとして、富岡市内の企業に最低賃金との差額や労働基準法に定められた時間外賃金などの支払いを求めた問題は、前橋地裁での訴訟に移行することになり、制度の「ほころび」が改めて浮き彫りになった。県内に同制度で滞在している外国人は約2300人(10年12月末現在)おり、その多くは中国人。問題の背景を追った。  ◆実態は「労働」  同制度は最初の1年間を「研修」、2~3年目を「技能実習」と位置付けていた。発展途上国の経済発展、産業振興の担い手育成を目的にしているが、原則として単純労働者を受け入れない建前を掲げる「国」、低賃金の労働者を求める「企業」、出稼ぎ感覚の「研修生」の思惑が一致したシステムと指摘されてきた。  ◆「月給」5万円  女性の代理人によると、3人は20~30代で中国・山東省出身。08年7月に来日し、富岡市内の会社で洋ランの栽培補助などの作業に従事していた。  研修生としての1年間は所定労働分(1日8時間)として1カ月5万円(1時間当たり311円)と時間外・休日勤務分として1時間300円が支払われた。時間外労働が1年間で464~515時間、休日労働は838~872時間だった。最低賃金や労働基準法の適用を受けると法定額との差額は3人で計438万円としている。  また3人は、3年の契約期間満了前の今年1月17日に即日解雇され、解雇から契約満了までの賃金計226万円の支払いも求めた。労基署や入国管理局に相談に行った後に解雇されており、解雇は無効と主張している。  ◆「実習」に一本化  「研修」が実態に合わないとして、全国各地で「賃金」トラブルが続発する中、国は10年7月に制度を改正し、1年目から最低賃金や労働基準法などが適用される「技能実習」に変更した。  一方、中国では実習生らの送り出し機関が20万~30万円の「保証金」を預かったまま返却しないなどのトラブルが多いと指摘されてきた。入国管理局は入国審査の際に相手国の送り出し機関が不適正な取り決めがないかなどのチェックを行っている。

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