李忠田さん(28)▽張広東さん(23)▽倪暁亮さん(27)の3人。「実習を通じて精神的・経済的損失を被った上に不当解雇された」と主張している。 訴状によると、UWNを受け入れ機関として10年2月来日し、同7月に関西低温と雇用契約。期間は10年8月~13年2月で、賃金は月額12万円前後とされた。2年目以降の実習継続要件である国の技能検定基礎2級に合格したが、今年2月、「仕事がなくなった」と突然の解雇通告を受け、3月末で解雇された。
しかし、解雇は「解雇回避努力義務など整理解雇の要件を満たしていないため無効」として、従業員としての地位確認と13年2月分までの賃金支払いを要求。さらに、関西低温で機械保全について学ぶことになっていたが、実際には草抜きなどの単純作業ばかり命じられ、差別的発言も受けたという。入国前には、中国側の送り出し機関から保証金などの違法徴収を受けており、一連の精神的・経済的損失に対する損害賠償も請求している。【大久保昂】
◇次々と紹介料「搾取」 来日するまでに借金--中国の実態 「日本に来る時に借金をしており、このままでは帰れない」--。提訴前に毎日新聞の取材に応じた実習生3人の証言から、中国側の送り出し機関にたどり着くまでに紹介料を多重徴収されるなど、実習制度を悪用した「搾取」とも言える実態が浮かび上がった。
3人は地元仲介者や送り出し機関の子会社を通じて中国・大連の送り出し機関を紹介された。この際、仲介者や子会社から次々に紹介料を取られたという。送り出し機関では、日本で問題を起こした場合に責任を取る保証人を求められ、無理な場合は現金を要求された。来日までの出費は各60万円~100万円に上り、3人は親族などに借金して費用を工面したという。
10年7月の法改正で送り出し機関による保証金徴収は禁止された。ただ「外国人労働者奈良保証人バンク」の山本直子事務局長は「中国国内の格差が拡大する中、地方の貧しい中国人は借金をしてでも実習制度を利用しようとする。実態は変わらない」と指摘する。
3人は解雇後、失業手当を受けながら新たな実習先を探している。夜間中学に通うなどして日本語の勉強を続けており、「(在留資格の範囲内で)どんな仕事でもするので働かせてほしい」と訴えている。
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